人事が錯覚しがちなこと 

人事が錯覚しがちなこと は、誰にでもあり得ること。
こんにちは。クリエイティブデザインラボの岩崎です。

さて、先日あるツイートが炎上しました。
ものはコレ

このツイートの是非は、これを読まれた方の感覚にお任せしますが、まぁちょっとやってしまったかな感が強いですね。
というかですね、給与や待遇で見る人間なんていらないよ、というのは雇用側の考え方なんですよね。
で、ものすごい能力を持っていて、会社が欲しいなと思う人材の方でも待遇面が合わない限り絶対にそこには入社しないんですよ。理由はとても簡単で、その方には働くステージが他にもあるので、わざわざ待遇が悪くて会社への忠誠心みたいのを求めるだけの面倒な会社には入社しないのです。

ちなみに、待遇にある休日や労働時間なんて、正直建前です。特にベンチャーなんてそんなもの守っていたら成り立ちませんし、会社への忠誠心を求め、年俸制でみなし残業も含んでいる金額提示なら、控えめに見てもなかなかの労働環境だとは思います。
体育会系の仲間サイコーのノリ、金はそこそこ、楽しさがあればいい、みたいな空気が大好きなヤンチャな方には向いていると思います。



人事が錯覚しがちなこと 立場編

ここで、ちょっと新卒対応をする人事の方の仕事を想像してみましょう。
最終的に内定を出すのは社長(経営者)です。ですから、人事がやるのは選考であって決定ではありません。
新卒の「対応」としたのは、基本的にフロントの対応をするのは、キャリアの浅い若い人が多いためです。
ある程度マニュアルに沿った仕事なので、新人でも対応がしやすく、例えば

  • 就活生とのメールのやり取り、
  • 会社説明会の設営・運営、選考時の運営、
  • OB、OG訪問に来る学生への対応

といった、その場の臨機応変な対応というよりは、予定調和の仕事が多いので、20代の若い方でも全然務まるのです。

しかしこの「キャリアの浅い人」だからこそ、一部の人には陥りやすい状況になるといえます。

例えば大企業に勤めると、その会社名は社会的評価がとても高いものになります。
また、就活生とはいえ、自分に対し常に敬意を払い、持ち上げる対応をしてくれる人が大勢いるとちょっとした高揚感を持ちやすくなります。

この二つが合わさると、無意識のうちに「自分がすごい人だ」と錯覚します。間違いなく誤った認識なのですが、周りの人がもてはやしてくれることが、社会経験の少ない人にとっては勘違いするに十分な条件なのです。

お気づきの通り、この採用担当者は単なる「役割」なだけで、就活生が丁寧に対応しているのはその人本人ではなく、肩書きに対してです。
周りの人が一目おいたりもてはやしてくれるのは、その人の能力ではなく会社の看板です。

実は本人がすごいことは何もない。
ですが、自分の上色にある看板を自分の力と勘違いして、偉そうに振る舞ってしまうのです。

ところで、誰かのツイートを見て私が思ったことですが、言い得て妙なことを言う方もいらっしゃるものです。



人事が錯覚しがちなこと 過去にも

実は採用担当の人って一部暴走することが過去にあります。


こういった投稿にあるように、特にこの界隈では有名な「トンボ鉛筆」みたいな事件が起きるわけです。

実は、私も過去に転職活動の中で「なんだい?この担当は」を思う方に出くわした過去があります。
会社説明会+個別質問&最初の面接だったのですが、対応してくれた方がすごく若い方だったんですね。とはいえ、その仕事を任されている訳ですし、当然こちらも相応のお立場を尊重してたくさんの質問をします。

ところが、です。

その人、全然答えられない。
聞いてることに明確に答えてくれない。全然見識が深くない(自社についてですよ)
その会社と私の最初の接点がその人です。そんな担当者が最初に出て来れば、その会社に対して好印象を持つ訳がありません。
もう10年近く前の話ですが、今振り返ってこう言った事件に直面して、なかなか根深い問題なんだろうなと思います。



人事が錯覚しがちなこと でも人事だけじゃない

今回の問題は採用という枠で考えた時に、就活生を相手にしているという仕事内容を原因として引き起こしている問題なのですが、実は人事だけに限った話ではありません。
お恥ずかしながら、調子に乗りやすいという意味では私にも経験があります。
全てはこれでも語っているのですが、

自分が他人からどのように呼ばれるのか、ということでも自分の立ち位置を錯覚しやすいです。
こればかりは、本当に自覚しないと無理。人から言われてもわかりません。幸い、私は知人から「先生と呼ばれる人は立派な人かどうしようもない奴かだ」というようなことを聞いていたので、初めて先生と読んでいただいた際に、強い高揚感と、同時に戒めができたものです。

先生と呼ばれることだけでもないですよ。
例えば大手小売業と、そこに納品したいメーカー
発注する親会社と受注する子会社

などに代表されるように、そういった環境で若い頃から勘違いをしたままで成長をすると、会社の風土として人を見下す人材が出来上がります。
そして、いざ自分から看板が外れたときにびっくりするくらいに人が自分から離れていきます。人によっては横柄な態度を返されるとか、何をお願いしても断られるということが起きて、でも自分はこれまでの対応に自覚症状がないので、これまでの仕事づきあいの人がこれまで通り付き合ってくれるだろうと思っていたのに、予想とのギャップで混乱する人が多い様ですね。



人事が錯覚しがちなこと 防ぐには

今回のお話は、人事の採用担当がテーマなので話を戻します。
冒頭説明した内容の様な事件を起こさないためにはどうすればいいでしょうか。

一番いいのは、ある程度キャリアを詰んだ人がフロント対応をするのが良いのだと思います。が、それはあまりに現実的ではない。であれば、「担当者を変えずに問題を未然に防ぐ」ということが求められます。

最も単純なのは以下のようなことでしょう

チェック体制の強化

まずは誰でも思いつくのがこれ。就活生に配信する前に、担当者以外の人が一読する。
意外と時間がとられるし、問題が起きにくいと一読チェックも形式的になりがちで、問題起きると「チェック体制が不十分」とかいうわけのわからない言い訳が生まれるあれ。
ですが、最も手っ取り早く未然に問題を防ぐ対策であると思います。

テンプレート化

担当者の意見とか不要です。よほどの緊急や特別なメールは上司チェックとして、それ以外は全てテンプレート化。今回問題になったSNSも、フロントの担当者は喋るな。機械のようにテンプレから投稿白ということ。
最もミスが出ません。というかむしろAIでいい。bot化こそ神

SNSは完全に別部署がやる

そもそもの発端は暴走した担当者が勘違いした状態で投稿したことです。ということは、その担当者が発信できない状況にしてしまえば良い。
現在は企業がアカウントを持つことは何も珍しくなくなりました。しかしそれだけ、炎上リスクも多くなりました。なので、リテラシーの高い方を担当にして、全部署文のツイート案を募集。SNS担当がそれ見て、第3者的に会社の広報として発信すれば良いのです。そうしたら、投稿が適切か否かを第三者視点で見れますので、ぐっと間違いは減ることでしょう。



人事が錯覚しがちなこと は誰でも起こり得る

これまでも述べてきたように、人事が錯覚しがちなこと はそれなりに仕組みがあります。キャリアに関わらず、チヤホヤされたり下手に出られ続けたりと「自分が選別・選択する側だ」「自分が偉いんだ」と錯覚するようなことが起きると、人は間違いを犯します。
これを防ぐには本人が強く自覚するか、第3者がそれを戒めるかしかありません。
一旦SNSなどで炎上してしまうと、それはその会社のイメージとなり、取引先や利害関係者からも印象を悪くするでしょう。決していいことはありません。
(炎上商法で名前を売るのも方法ですが、その後に炎上でついたイメージをひっくり返すほどの実力がないとうまくいきません。)

私たちは環境によって勘違いする生き物です。
そんな時は今一度、自分が調子に乗っていないか、それは適切かを振り返ってみる意識を持ちましょう。

失敗して学ぶことはたくさんありますが、しかし失敗せずとも学ぶこともできます。
誰かを傷つけたり、評判を悪くしたりする前に、少し立ち止まってみましょう。

自分の言葉が取り返しのつかない事態を招くこともあるのですから。





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