仕事は時間を守ることが正義なのに・・・
こんにちは。
クリエイティブデザインラボの岩崎です。
昨今の働き方でもよく言われますが、日本人というのは『始める時間』は非常に厳しいのですが、『終わる時間』は非常に甘いです。
「休憩のために仕事を終わらせる時間は厳しいぞ!」という意見もあるかもしれませんが、実はそれは間違いです。
休憩のために仕事を終わらせる時間が厳しいのではなく、『休憩を始める時間』に厳しいのです。
ですから、休憩の終わり時間を守るということは『休憩後の仕事を始める時間』に厳しいとも言えるわけです。
ところが、『仕事が終わる』という時間には非常にルーズです。
だらだらと無駄に時間を浪費し、残業代に有無にかかわらず終わりの時間を過ぎても気にしない人が多いです。というか、終わりの時間を守ると逆に不真面目に感じるという前時代的な思考を持っている人すらもいます。
これは『集団の時間は優先度が高く、個人の時間はそのために犠牲にすべきだ』という集団心理や同調圧力がかかわっています。ですから、就業時間の終わりという「集団の時間」の終わりは「個人の時間」の始まりですが、始まりの厳しさよりも集団の時間の重要性という妄想が勝っているからと言えます。
今はこの終わりの時間含め、『仕事の時間を順守する』ことの価値が高まりつつあります。
従来の日本は『気合・努力・根性』の時代でしたから、高い売り上げを誇る能力の高い人よりも、売り上げが0でも、一生懸命に走り回って非効率な仕事をしているような人が評価されてきました。
しかし、終身雇用神話が崩壊し、成果に対して評価がなされるようになった昨今は、決められた時間で高い成果を誇る人間、つまり生産性の高い人間に高い評価が下されるようになっています。
テレワークでは忘れがちな時間管理
さて、本題に入りましょう(笑)
テレワークや在宅勤務だと、この『終わりの時間にルーズ』という問題はとても顕著に表れています。
自宅=仕事場になってしまっているので、いつでも仕事モードになれるし、もしくはいつでも仕事モードにならざるを得ないとも言えます。
そのうえ、例えば男性で小さいお子さんがいる家庭では、『普段夜と休みの日しかいないパパがいる』という状況から、子どもは遊び相手になってほしくて色々とちょっかいを出してくる・・なんてこともありますよね。
そしてこれは非常にストレスのもとになります。
では、なぜストレスのもとになるのか。
これこそが『仕事の時間』を終わらせてないために発生する感情なのです。
いつでもどこでも仕事ができる、だからこそ普段より厳しく時間から時間で動いて、完全に仕事モードから離れる必要があります。
ちなみに、そのためには例えば仕事用のパソコンとプライベートのパソコンを分ける、仕事以外ではなるべくその机に座らないなど、物理的に仕事の環境を遮断することがお勧めです。
こうやって、しっかりと時間を切り分けることで、子どもと遊んでいるときに仕事が気になることはありませんし、仕事モードの自分を休ませることができます。
一人じゃダメ。でもまずはあなたから
人材育成系のコンサルタントの仕事をしていると『これが元凶なんだけど気づいてないんだよな』というケースをよく見ます。
その最たる例は、上司が時間を守らないということ。時間外に連絡をする、休日に指示を出す。これでは部下がしっかりとした時間管理をできる訳ありません。
そんな上司の言い分はだいたい共通していて、「自分は仕事をしているが、仕事をしろと言っているわけでない」というもの。
組織というのは上長の指示で動くことで成り立ちます。ですから、上司が指示を出してしまった時点で、業務命令を出しているようなものです。
例え「休み明けでいいから、今指示だけ出しておくね」といってもダメです。なぜなら、それを意識させた時点で休日や個人の時間を奪っています。
休み明けでいいなら休み明けに指示をすればいいんです。
休みの日に指示を出すのは、予定のある部下に嫉妬している、仕事している自分への注目、自己顕示欲、相手のことを考えられないなどの感情でしかないです。
もちろん、緊急な場合を除いてですが、緊急かどうかの判断は、本来はさらに上長が下すものですから、自己判断の「緊急」で部下に指示を出すのも含め、相手の時間を奪う上司は
もはや無能の極み
とも言えます。
ですから、まず仕事の時間を守り、個人の時間を大切にするためには、上長がそれを理解するしかありません。が、そんな上長だけとも限りません。
だから、まずはあなたから。あなたから時間を守っていきましょう。そしてあなたが部下を持つようになったとき、自分がそれをしないようにする。そうやってあなたから組織やチームを変えていきましょう。
これからの時代は時間管理がもっと重要に
コロナ問題に端を発し、おそらくこの日本は大きく変わります。
会社は会社の体をなさなく成り、必ずしもいわゆるオフィスに出勤をすることが必要なくなる時代が、間違いなく来ます。その時、組織でありながら集団ではなくなった環境で、どれだけ時間を守れるかはとても大切なものだと思います。
ただ、忘れないでほしいのは、これまで話してきた内容はあなたが『雇われている立場』であることに限定しています。
私は会社経営者なので、本来は四六時中仕事をしていないといけない立場です。
役員を務める組織からは、曜日や時間を問わず連絡が来ます。時間に余裕があるものもあれば、緊急対応のものもあります。
そんな中でも、私は可能な限り時間を決め、家族との時間をとれるように努めています。
個人事業主や小規模企業はこれから一気に増えます。いかに短い時間で高い収益を稼ぐか。そして空いた時間で次のビジネスのネタを考え、同時に大切な人との時間を捻出する。
そんな自己責任の時代がすぐそこまで来ています。
何時から仕事をはじめ、何時に終わらせるのか。そういった時間管理をしっかり身に着けていきましょう。