クリエイティブな仕事 をするフリーランスクリエイターがやるべきこと

クリエイティブな仕事 をするときには、実は気をつけなければいけないことがあるってことがここ最近増えてきたなと感じます。
こんにちは。クリエイティブデザインラボの岩崎です。

フリーランスのクリエイターと言えば聞こえがいいけれど、AIが様々なものを作り出せたり、これまでプロの領域だったものがある程度工程を省いてできるようになるソフトが次々と出てきて、この業界は中々大変だ。
それでも、その人にしか出せない成果物というのもあって、これからもそのニーズは縮小すれど消滅することはないだろう。

しかし、一般人とそのクリエイティブな創作物の距離が近くなるということは、それだけ色々な意味で注文がつけやすくなる、ということでもある。
これからお話しすることは、私自身の経験と、クリエイター仲間が遭遇した出来事をもとに、対策を検討してみた内容だ。活躍されているクリエイターの方であれば、概ねすでに対応されていることだろうけど、これからモノ作りを生業としていきたい人にはぜひ参考にしてもらいたい。

クリエイティブな仕事 ってなんだ?

そもそも、クリエイティブな仕事ってなんだろうか。イラストレーターなどがよく例に上がるが、実はそれだけではない(と私は思っている)。
私は仕事で映像を作るし、サイトも作る。これはもともと形のないものから、顧客の要望に合わせてイメージを形にしていくのが仕事だ。これもクリエイティブな仕事。
私のクリエイター仲間には、その人に合わせた名刺をデザインしたり、LPを作ったり、レストランのメニュー表を作ったり、野菜の通販用のフライヤーを作ったりと、まさに八面六臂の天才型。しかも3児のママ。すごい人。
この天才の仕事もまさにクリエイティブ。

クリエイティブ=創造的。今だと創造という名詞の方が意味合いが強いけど、要するに0から1を生み出す人のことだ。
イラスト、映像、フライヤーだけにとどまらず、木彫りや家具、楽器職人、もっと言えば料理なんかもそれに該当できるだろう。
新しいものを作りだす、ということを生業にしている人は私は全てクリエイターだと思っている。
だからこそ、この業界は理解されづらい。既製品が溢れる中で、自分の好みに合うものを1点もので作ってくれ、という話なのだから手間もお金もかかる。
にもかかわらず、そこが実に理解されづらいのだ。だからこそ、次からのような対策を書こうと思った。



クリエイティブな仕事 の全ては契約から

日本においては、「発注者」VS「受注者」になったときには、圧倒的に「発注者」が強い。
これはお店とそのお客との意味合いとも近い。お客が店員に理不尽にクレームを出すのは、お客が強いと客自体が勘違いしているからなのだが、これはBtoBでもよくあるのだ。
大手メーカーが地方の零細工場に対して仕入れに関して無茶を言う。
工場としては採算ギリギリだけど、入金がないという事態は避けられるし従わざるを得ない、という形で成立してしまう。こんな闇は今でもたくさんある。

これとは少し形は違うけど、クリエイターの仕事にはこういった問題が常にのしかかる。
なので、身を守るため対等に渡り合うため、まずは契約を交わすというのが大事だ。
ここに書かれていることは、お互い了承すれば法的な効力を持つ。それに違反すれば、契約書を根拠に対等にやりあえるのだ。
ということは、これを渋る人とは仕事をしない方がいい。もちろん、せっかくの仕事が・・・と思って契約書なしでやるかどうかはあなた次第です。

一口に契約といってもいろいろある。
理想は、①機密保持を含めた基本契約、②内容を詳細に決めた業務委託契約この二つだろう。
そして、①と②の間には見積書で合意してもらい、②にその金額を盛り込む。もちろん、契約内容を超える場合は追加料金のある旨を記載するのも大事だろう。

なのでまずは契約書。日本人はこれが苦手。「友達なんだからタダでやってよ」「とりあえず口頭ね」なんて平気で言ってくる搾取者もいる。苦手だろうがなんだろうが、まずこれが身を守るために必要なのだ。
どんな内容を盛り込むか、というのについてはこれからつらつらと書いていくことを全部盛り込むと、あなたを守る強力な武器になる、とお伝えしておく。



クリエイティブな仕事 は何をやるかを明確に

人に仕事を頼む、ということの最大の理由は「自分でできないから」だ。時間的制約もあるだろうけど、例えば家を建てるのに多くの人がそれをハウスメーカーや工務店にお願いするように、時間以上に「そのスキルがない」から依頼する。
これはサイト作成でもイラストでもなんでも同様だろう。
『その人の作品が好きだから』とか『これと同じものをお願いしたい』というのは発注の嗜好であって、そもそもの出発点は「それが実現できないから頼む」である。

できないということは、当たり前だが『完成系はイメージできない』のだ。
私も全く知らない業界のものは、どれだけ専門家に説明されても、イメージ図を見ても、実物を見るとイメージと違う、というのは珍しくない。
だからこそ、それを見越した上で、「何をやるか」を明確にしないといけない。言い方を変えれば、完成した姿を伝えておくのだ。
注意したいのは、どれだけ説明をしても相手にそれが100%伝わることはない。
初めて入ったレストランで、メニューを写真で見てもいざ出てきたらちょっと想像と違った、などという経験がある人もいるかもしれないが、つまりはそういうことだ。

だからこそ、『何をやるか』を明確に決めてそれを契約書に盛り込むのだ。そうしないと、“ついで”を理由にあれこれつけたそうとしたり、減額を要請したりする。
「ここまでやっていくらです」というのを決めてそれを盛り込む必要がある。



クリエイティブな仕事 は最初が肝心

『何をやるか』に述べたとおり、お客様で最初の段階から完成型の明確なイメージを持っている人は少ない。
なので、着手前に徹底的に『いつまでに』『何を』『どうする』を決める。
もちろんこれは難しい。いざ見てみたらイメージと違う、なんてよくあること。
クリエイター側のスキルの面でやるべきことは、徹底したヒアリングで相手の要望を一発である程度突く能力だ。
具体的なイメージが弱いクライアントには、「これがいいね!」と言わせるラフイメージを一発で出すのが優れたクリエイターの条件の一つでもあるかもしれない。
それを踏まえても、例えば最終納期を契約で設定する訳だが、それまでに3回の打ち合わせを設けるとする。そこで『次回までに』『何を』『どうする』と決めていく。3回目の時にはいよいよ『あとは作るだけ』にすれば、確実に進められるだろう。
これを曖昧に、ピンポイントに『次回までにここ直しておきますね』なんて言おうものなら、いつまでも終わらないマラソンが始まってしまう。
なので、最初の段階でイメージを握ること、それを完成に近づけるために主導権を持って最初から動いてしまうことが大事なのだ。



クリエイティブな仕事 は短期勝負

最初が肝心に近いのだが、契約書にはリテイクの回数を設定しておくのがいい。
リテイクとは修正、書き直しのこと、全部もう一回、というのは別の問題だが、「この部分やっぱりこうして」みたいなのはホントによくある。「赤をもう少し薄く」は注文だが、「赤って言ったけど緑にして」とか、「その部分に○○入れて」みたいな追加注文で、それによって全部を調整しないといけないなどが発生する時がある。
それは承る必要はあるのだが、しかし無限に応えられるものではない。

覚えておいて欲しいのだが、人間の感覚や好みは変わる。1週間前好きだったものが、今はそんなに好きではなくなった・・・なんてよくある話。
デザインなんか普通にこれがある。だから「あの時は赤がいいって思ったけど、今は青がいい」みたいなことがある。
そのリテイクを無限に聞き入れるとどうなるか。その都度時間がかかり、その分クライアントの好みは変わっていく。そして注文が変化していく。そのドツボにハマると厄介だ。最初とずいぶんイメージが変わるとかもあってもおかしくない。
だから、契約の段階、最初の打ち合わせの段階で方向転換や大掛かりな修正を必要とするリテイクは3回まで!みたいに決める必要がある。もちろん、最終打ち合わせ後のリテイクは新規に料金発生・・みたいにするのが良いだろう。
そしないと、クリエイターが苦しむことになる。



クリエイティブな仕事 に途中参加は嵐を呼ぶ

クライアントとクリエイター、二人三脚(丁々発止?)で進めるのが創作だ。それは最初から話を進めてきたからこそ汲み取れるイメージなどもあり、そこはある意味、友情とか信頼関係とかと同じ分類の何かがあるのかもしれない。
それは逆にいうと、途中から新参が入ってくると一気に作業が停滞する。すでに共通認識を得ているものをまた説明しなければならないし、すでに決まっているものに対して注文をつけてきたりする。

私の仲間が遭遇したことでは、途中参加の人が話をひっくり返し、すでに進んでいたプロジェクトを中止させたという。
「何も知らないからこそ新鮮な意見が言える」という見方もできるかもしれないが、そんなものは稀だ。大体が、「なんでこの金額?」とか「どうしてここまでやらないの?」といったクレームではないまでも、決まっていることを変更させようとしてくる。

もちろん、先方にも予算があり、「安く良いものを」という立場に立てば至極当然の部分もあるだろう。
だがそこでひっくり返されると、そこまでに費やした時間コストは文字通り無駄になる。ひっくり返した本人は、成果物が手元にないのだから、罪悪感なんてかけらもない。
本来、クライアント側の都合でプロジェクトを止めるなら、そこまでにかかったコストは支払うのが筋だ。
しかしそんなものに意識もしていないだろう。
だからこそ、契約で

「甲の事情により当該契約内容を停止させる場合は、進捗にかかわらず金額の半分に消費税をかけたものを支払うものとし、その成果物の所有権著作権その他一切の権利に関しては乙の帰属とする」

みたいに記載しておけば、正当に金額を請求できる。無駄にはなるが半額でも取りっぱぐれない方がいいだろう。
そうすると、そこまでの成果物に対する情報に対しての補償は?と言ってくる人もいるが、大丈夫。そのために事前に機密保持契約を結ぶのだ。



クリエイティブな仕事 はやっぱり契約が全て

大きな企業の場合は顧問弁護士がいたりして問題ないが、個人のクリエイターとしてはそこまでは経済的には厳しい。だからこそ自衛するしかないのだが、そこに力を与えてくれるのが「約束」だ。そしてその約束は、ある手段をとれば法律がお墨付きを与えてくれる。
それが契約であり契約書だ。

いつまでにやるのか、何をやるのか、どうやってやるのか。
どれだけ要望を聞くのか、どのような方法で完成させるのか。

これらを具体的に文章にし、事前に決めておく。これだけで、あなたは自分を守ることができる。
日本人は契約書がとにかく苦手だ。
信頼に足る相手ならは口頭での諾成契約で十分だが、そうでない場合は契約書を作ろう。
それが難しければ、「自分の作業内容と必要事項は伝えましたよ」という証拠を残そう。それには、メールで送れば十分だ。さらに、その前後にやり取りが発生していれば『受諾した』とみなされる。

少し乾いたやり方に感じるが、実は双方の権利を保証するのが契約書だ。
しかし、いくらこれがあろうと、クリエイターにはクライアントのイメージを具現化させ納得してもらう力量が必須だ。それを持てないのにいくら契約といっても、そこに説得力はない。

知識、スキル、それぞれをつけることを忘れないでほしい。





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